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ラベル台紙の水平リサイクル、「資源循環プロジェクト」への参画(1) ~ ラベルを使う、だからこそ。 ~

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ラベル台紙の水平リサイクル、「資源循環プロジェクト」への参画(1) ~ ラベルを使う、だからこそ。 ~

 シオノギファーマは、2022年4月より、ラベル台紙*1の資源循環型水平リサイクル*2の実現を目指す「資源循環プロジェクト」に参画しました。製造工程にて廃棄されるラベル台紙の回収・リサイクルを通じて、サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を推進し、さらなるサステナブルな社会の実現に貢献します。今回は、シオノギファーマの環境課題への取り組みである、「資源循環プロジェクト」の全容について、全2回にわたって紹介します。

*1 ラベルの糊面を保護するための裏紙。剥離紙、セパレーターとも呼ばれる。
*2 使用済みの製品を原材料として、同一製品を製造するリサイクル。

シオノギファーマの容器包装やワンウェイプラスチック等の環境課題への取り組み

 SHIONOGIグループは、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)のひとつとして「環境への配慮」を特定し、「気候変動」、「省資源・資源循環」などの環境課題に対して、「環境配慮製品の設計」や「廃棄物の3R、適正廃棄」など、限られた資源の有効活用や再資源化に取り組んでいます。

 また、シオノギファーマでは、SHIONOGIグループの一員としてCO2排出削減などの環境保護に貢献するための中長期的な行動目標を定めるとともに、これまでに、「シオノギファーマEHSポリシー」に基づいて、容器包装資材の一部をバイオマスポリエチレン製ボトルやメカニカルリサイクルPET製フィルムへ変更することによるCO2排出低減に取り組むほか、プラスチック緩衝材の廃止やサーマルリサイクルによる固形燃料化によるワンウェイプラスチック等の使用量削減・再資源化を推進してきました。




「資源循環プロジェクト」について

年に14億m2の廃棄物 「ラベル台紙」

 商品にラベルを貼り付ける製造工程において剥がされているラベル台紙の使用量は、国内の製造業全体で年間14億m2(東京ドーム約30,000個分)に上り*3、そのほとんどが資源として回収・再利用されることなく、廃棄・焼却されています。
なぜラベル台紙は、リサイクルできないのでしょうか。

 ラベル台紙には、ラベルの糊と接着しないように、表面に樹脂素材のコーティングを施すため、一般にリサイクルが困難とされています。そのため、シオノギファーマでも、年間4~5万m2のラベル台紙が廃棄・焼却されています。

*3    ラベル新聞社『日本のラベル市場2021』から集計(2019年度出荷量ベース)。 

一般的なラベル台紙の層構成

 

 一方で、医薬品用ラベルは患者様へ大切な情報を伝えるために、無くてはならない重要な材料です。貼り付けられるラベルの数だけ、製造工程において台紙が廃棄されているという現状課題に対して、材料メーカー、印刷会社、エンドユーザー(ブランドオーナー)など、サプライチェーン上に位置する各社が協力して推進するのが、この「資源循環プロジェクト」です。

循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行

 これまで、日本では最終処分場の逼迫という社会課題の解決に対して、2000年前後から「3R」が推進されてきました。2020年以降、経済産業省が「経済循環ビジョン2020」を発表し、あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じ、付加価値の最大化を図る「サーキュラーエコノミー」への転換が、企業の成長と事業活動の持続可能性を高め、中長期的な競争力の確保にも繋がると提言されています。

 また、プラスチックごみ問題、気候変動問題など環境配慮要請の高まりを契機として、2019年5月より、「プラスチック資源循環戦略」が打ち出され、2021年6月には、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)」が成立、2022年4月より施行されています。プラスチック資源循環促進法には、プラスチック使用製品の設計から廃棄・処理まで、プラスチックのライフサイクル全体における資源循環の取り組みを促進する内容が盛り込まれています。

ラベル台紙の循環型水平リサイクル

 資源循環プロジェクトは、これまで廃棄・焼却されてきたラベル台紙を、ペットボトル再生原料を25%以上使用したPET製フィルムに切り替え、資源として回収、再利用し循環させることで廃棄をゼロにする、画期的な取り組みです。さらに、回収後のマテリアルリサイクル*4により、再度ラベル台紙として使用する「水平リサイクル」が可能になり、より高度な資源循環を実現できます。まさに、線形経済*5からサーキュラーエコノミーへの転換点にある市場・社会に対する、具体的な取り組みです。

*4    廃プラスチック類の廃棄物を、破砕、溶解などの処理を行った後に、同様な用途の原材料として再生利用するリサイクル。
*5    大量生産・大量消費・大量廃棄が行われ、調達、生産、消費、廃棄といった流れが一方向の経済。 

リサイクル可能なラベル台紙の層構成

資源循環プロジェクトのリサイクルスキーム

 
 

シオノギファーマの取り組み ~実証実験の開始~

 シオノギファーマは、製造工程で発生する廃棄物に目を向けることで、医薬品メーカーとしてサステナブルな社会の実現に貢献できることを期待して、2022年4月より、この「資源循環プロジェクト」にユーザーの立場として参画しました。現在、2022年度中に、一部製品の医薬品用ラベル台紙に、このリサイクルスキームを適用することを目指して、実証実験を開始しました。

 この度、2022年5月11日から13日までの3日間、インテックス大阪(大阪市)で開催された「第2回[関西]サステナブル マテリアル展」に共同開発企業4社(日榮新化株式会社、東洋紡株式会社、株式会社トッパンインフォメディア、三井物産ケミカル株式会社)とともに出展し、実証実験の途中経過について発表しました。本展示会は、「第10回[関西]高機能素材Week」の構成展の一つで、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献する、環境配慮型素材やリサイクル材料・技術などを幅広く紹介する総合展です。「資源循環プロジェクト」を広く知っていただく、良い機会となりました。 

<展示会の様子>

 シオノギファーマは、お客様から信頼される 「技術開発型ものづくり企業(CDMO*6)」 となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた 「フルレンジサービス」 をワンストップでご提供できる体制を整えております。お客様のご要望に応じた受託サービスやソリューションサービスの提供を行っていますので、お気軽にご相談ください。

*6 CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization

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