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医薬品包装のユニバーサルデザインサービスについて ~ お役立ち精神でお客様の困りごとや社会のニーズにお応えします ~

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医薬品包装のユニバーサルデザインサービスについて ~ お役立ち精神でお客様の困りごとや社会のニーズにお応えします ~

シオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)は、さまざまな服薬のバリアを軽減・解消するユニバーサルデザイン・パッケージなど、高品質でユーザーフレンドリーな医薬品包装を企画・設計から商用生産まで、フルレンジサービスをワンストップで提供しています。
ユニバーサルデザインとは、障がいの有無や年齢、性別、人種などにかかわらず、たくさんの人々が利用しやすいように製品をデザインする考え方です。シオノギファーマでは、持続可能な開発目標 SDGsの「③すべての人に健康と福祉を」「⑩人や国の不平等をなくそう」 にもとづく活動として積極的に取り組みを行っています。

フルレンジのパッケージデザインサービス

事例紹介:「セデス®」 シリーズのパッケージリニューアル

シオノギファーマはシオノギヘルスケア株式会社および塩野義製薬株式会社と連携し、障がいのある患者さまにも医薬品に関する正しい情報をお届けすることを目指したコミュニケーションバリアフリープロジェクト※1 の一環として、解熱鎮痛薬 「セデス®」 シリーズにおけるパッケージのユニバーサルデザイン※2に取り組みました。
今回、パッケージリニューアルの企画・設計から生産までの各プロセスで注力した内容をご紹介いたします。

解熱鎮痛薬 セデス シリーズ

※1 シオノギグループの「障がい」 によるコミュニケーションのバリアをなくすための取り組み:
   https://www.shionogi.com/jp/ja/sustainability/society/social-contribution-activities/cbf.html
※2 解熱鎮痛薬 「セデス®」 シリーズ SDGsに配慮したユニバーサル仕様へパッケージリニューアル:
   https://www.shionogi-hc.co.jp/content/dam/shc/jp/news/2020/06/20200602.pdf(PDF)

企画

「セデス®」 シリーズのパッケージリニューアルは、視覚障がい者の方々とのコミュニケーションを通して市販薬の服薬にかかわるバリア(困りごと)や日々の工夫を理解するところから開始しました。さらに、市販薬のパッケージに関するアンケート調査を行い、パッケージに大きく表示してほしい情報など、ニーズの把握に努めました。
これらの結果、「触覚を生かした箱の開封」や「電子ルーペを使った表示の確認」、「パソコンやスマートフォンの音声読み上げ機能を使った情報収集」など、視覚障がい者の方々の困りごと解決の企画を抽出しました。

市販薬の使用実態調査
市販薬のパッケージに関するアンケート調査

設計

企画結果をもとに、視覚障がい者の方々の工夫をアシストする箱の構造と表示を設計しました。まず箱は、触覚で開封部を容易に認識することができ、箱の正面が大きく開くため内容物が取り出しやすく、再封も可能な設計にしました。また表示は、開いた箱の内側に用法・用量を大きく表示し、高齢者を含めた視覚に障がいを抱える方々が容易に確認することができるようにしています。
さらに、視覚障がい者の方々がスマートフォンを使って製品情報を音声で確認できるアクセシブルコード※3を導入しました。アクセシブルコートは5言語(日本語、英語、簡体字、繁体字、韓国語)に対応しているため、海外の方も製品情報を確認することができます。
リニューアルしたパッケージの使用性は視覚障がい者の方々から高い評価をいただきました。

視覚障がい者の方々とのコミュニケーションから生まれたパッケージ
リニューアルしたパッケージに対する視覚障がい者の方々の感想

※3 アクセシブルコード(Accessible Code)
エクスポート・ジャパン株式会社(以下、エクスポート・ジャパン)が開発した日本語を読むことが出来ない外国人、文盲の方、視覚障害をお持ちの方々が、スマートフォンで読み取って、外国語や音声で情報を取得できるように作られた2次元バーコード※4です。
NPO法人アイ・コラボレーション神戸主催の 『わたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」 ~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~』 への参加※5をきっかけに、エクスポート・ジャパンと議論を重ね、視覚障がい者の方々が触覚でコードの位置を把握することができるようにコードにデボス加工(凹加工)を施しました。
※4 https://www.export-japan.co.jp/solution/accessible-code/
※5 http://www.mirai-commons.com/2018/blog20190607.html

工業化・生産

今回のパッケージリニューアルでは、プルオープンタイプの構造を採用し紙質も変更しました。光沢感の高い蒸着紙を採用して製品イメージの刷新を図りました。このような構造と紙質の変更にともない、包装ラインで多くの技術的課題が発生しましたが、箱の試作とラインテストを繰り返し、箱のコーティング剤やミシン目のピッチ、包装設備の部品改造など、さまざまな要素を最適化することで、高い製品品質と安定生産に成功しました。
また、包装ラインのクオリフィケーション・バリデーションでは、新しい形状の製品に対する品質基準の設定など、製造所をサポートして高品質なリニューアル製品の生産を実現しました。

包装ラインテストの様子
安定生産に向けた主な技術課題と講じた対策

シオノギファーマは、お客様から信頼される 「技術開発型モノづくり企業(CDMO※6)」 となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。パッケージデザインサービスをはじめ、原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた 「フルレンジサービス」 をワンストップでご提供できる体制を整えております。
※6 CDMO:Contract Development Manufacturing Organization

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