シオノギファーマのEHSへの取り組み(2)~持続可能で豊かな社会の実現に貢献する~

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シオノギファーマ株式会社

B!

 “EHS”とはE: environment、H: health、S: safety、すなわち環境・衛生・安全を意味します。シオノギファーマには全国に摂津工場(大阪府)、金ケ崎工場(岩手県)、徳島工場(徳島県)があり、2022年4月1日からは伊丹工場(兵庫県)が新たに仲間になりました!シリーズEHSの第二回は、摂津・金ケ崎・徳島におけるEHS/CSRへの取り組みを紹介します。
今後は伊丹工場の紹介も企画していきます、どうぞお楽しみに!

 シオノギグループは製薬関連企業としての社会的責任から1994年にはシオノギ環境基本方針を制定、1995年には廃棄物の削減や省エネを主なテーマとした第一次環境行動目標を定め、コージェネレーション発電設備の導入や生産拠点における水リスクのWRIAqueduct*1評価をはじめ、早くから全社的に環境保全活動に取組んで参りました。

 2019年のシオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)の設立以降は、「気候変動」、「省資源・資源循環」、「化学物質の適正管理」、「産業安全衛生」、「健康」について行動目標を設定し、全社的な課題への挑戦と共に、地域社会への貢献として、EHS/CSR活動を行っています。これから紹介する各製造拠点においても地域との連携、環境保護活動など、地域毎に特色のある活動を行っており、いずれも緑豊かな環境のなかでリスクを抑止したモノ造りを行い、地域住民の皆様、さらには社会全体に安心・安全を提供し、持続可能な社会の実現を目指しています。

摂津工場の取り組み

 本社・摂津工場ではISO14001(環境)、ISO45001(労働安全衛生)の認証工場として、地球環境の保護および汚染の予防、共に働く全ての人々と地域社会の安全衛生確保に努めています。摂津市で生産活動を展開する工場として、6月の環境月間に合わせた工場外周の清掃活動をはじめ、アドプトロード緑地帯の維持管理、工場前歩道の清掃など、長きに亘り地域社会との交流を深めてきました。摂津工場は、固形製剤棟の役割を担ってきた301棟の解体、高薬理活性固形製剤棟500棟の竣工等、目まぐるしい変化の渦中ではありますが、CO2排出量の削減、廃棄物排出量削減、再資源化率の維持、化学物質の適正管理、健全な水循環の保護など、2020年度は設定した目標全てを達成しました。今後も廃棄物の削減・再資源化方法を模索し、環境負荷の低減を一層図って参ります。
 また、健康増進活動に焦点を当てますと、昨年来の新型コロナ禍で外出自粛が続き、活動量が低下する中、働く人々の健康にも影響が出始めています。その解決を図るべく、2021年度は新たな試みとして、摂津全従業員を対象に「体感する」健康セミナーを企画、開催しました。産業医による「健康診断結果の見方」のレクチャーに始まり、続けて実施した飲料会社とのコラボによる「トクホ健康飲料の飲み比べ」では、現代の利をもっと気軽に取り入れて未病に積極的にアプローチするメリットを伝えることができ、従業員の満足度も大変高いものとなりました。従業員への健康維持のサポートは、そのまま健康経営推進に直結し、ひいては製薬企業として確実に医薬品を生産・供給することにもつながると考え、今後も継続していきたいと考えています。

摂津工場周辺の清掃活動

摂津工場 「体感する」健康セミナー 「健康診断結果の見方」のレクチャー&「トクホ健康飲料の飲み比べ」

 

金ケ崎工場の取り組み

 金ケ崎工場では、工場内の緑化に取り組んでいます。花壇整備、枝木剪定、芝刈りなど、常時工場内の景観を整えています。また、年2回の金ケ崎町主催の一斉清掃活動では、外来植物除去や希少植物の保護に力を入れています。
 その他、豪雪地帯ならではの活動として、スノーバスター(雪かきボランティア)に参加する活動を行っており、地域とのコミュニケーションを密接にとるよう配慮しています。金ケ崎町主催の生活環境フェアでは、環境活動についてのパネル展示を行い、環境保全に関する取り組みを紹介したこともあります。
 金ケ崎工場の特色としては、国内でも類を見ない、セフェム系/カルバペネム系の抗生剤とがん疼痛治療薬に特化した工場であることが挙げられ、AMR対策への取り組みを推し進めています。AMRとはAntimicrobial Resistanceの略で、抗菌薬が効かなくなることを意味しています。いま世界中で抗菌薬の効かない耐性菌が増加し、これまでは適切に治療できた感染症が重症化しやすくなるなど、リスクが高まっていることが国際社会で大きな課題となっているのです。このような状況は、抗菌薬の不適切な使用や、環境における拡散が背景になっていると考えられます。親会社であるシオノギ製薬はマテリアリティとして「感染症の脅威からの解放」を掲げており、金ケ崎工場ではAMR対策として、排水中の抗菌薬の環境への流出を極力低減するために、抗菌薬を含む排水の失活処理や処理後の分析、などを継続して行っています。定期的な分析の結果より、排水中の抗菌薬がほぼ検出できない濃度まで低減されていることを確認しています。

金ケ崎工場の景観

抗菌薬の失活槽と確認中の作業者

 

徳島工場の取り組み

 徳島工場は瀬戸内海に近い河口付近に立地していることから、海洋を汚染することなく生産活動を行うことや、瀬戸内海の生物多様性の保全に配慮した活動が活発です。海をきれいにする活動としては、「とくしま環境県民会議」に加入し、漁協の清掃時に参加者に試供品を提供するなどの間接的な活動を行っています。
 また地元と密着した健康増進の取り組みとして、徳島県製薬協会等による、「くすりと健康フェア」に毎年参画しています。これは日頃薬や健康に関し、気になっていることを薬剤師に直接、気軽に相談できる機会として皆さんに利用いただいているイベントです。ここに企業として参加し、製品の紹介などを実施しています。

徳島工場周辺の清掃活動

長年の献血協力に感謝状が贈られました!

 

 徳島工場のもうひとつの特徴として産学の交流が盛んであることが挙げられます。徳島工場では、徳島県内の大学の薬学部新入生に対し、業務内容などの紹介を通じて、オリエンテーションを行っています。2020年度はコロナのため中止となりましたが、薬学部の学生さんが例年5名~10名程度、見学に来られています。早期体験学習ということで、薬剤師を目指して進んで行かれる学生の皆さんに、卒業後の進路をお考え頂く一助になればよいと思っております。また学生の皆さんからも非常に有意義であったとの感想を頂いております。
 徳島工場では、今年度、ISO45001の認証を獲得し、14001と併せて環境と安全衛生の両面からEHSのマネジメントシステムの中でしっかり活動していることが認められたと考えています。

徳島県内の大学へのオリエンテーション

 

 シオノギファーマは、お客様から信頼される 「技術開発型ものづくり企業(CDMO*2)」 となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた 「フルレンジサービス」 をワンストップでご提供できる体制を整えております。

 

*1 WRIAqueduct:世界資源研究所(WRI)が開発・発表した水リスクを評価するツール
*2 CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization

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